打点は加速段階において最速となる場所である。運動連鎖を通して生成されたエネルギーは最終的に手首へと伝わる。そのエネルギーはレッグドライブ、身体のひねり、肩の内部回転、前腕のプロネーションそして最終的に手首の屈曲を経てある一点へと伝わる。
打点ではボールのスピードは手首の屈曲、前腕のプロネーション、肩の内部回転によって生まれる。まずは、肩と手首の動きにもっとも起因するものから話していこう。
打つ側(利き手側)
ひじの伸縮
インパクトにおいてひじは完全には伸びていない(160~最大180°の間)。これはひじの故障を避けるうえでとても大事である。さらにひじが完全に伸びているとラケットのスイングスピードは遅くなってしまう。
身体(胴)
ひじが完全には伸びていないため、ラケットが打つ側の肩の上、そして前脚のつま先上でボールを打てる角度に身体を曲げる必要がある(右利きなら左側)。打点における回転では打つ側の肩と腰が反対側よりも高い位置にある。
後ろ脚
後ろ脚の動きは、インパクト時に打つ側の腰が反対側の腰と一直線になりフォロースルーにおいて身体が余分に回らないようにするため、身体の後ろから始まり前脚とは離れて動く。
後ろ脚の足首
後ろの足首は底屈し、脚を後ろ(下)に伸ばす役割をする。水泳に例えると、足首が柔軟でもっとまっすぐ曲げられたら、よりパワフルに後ろ足を伸ばす動きをすることができる。
打たない側(利き手とは反対側)
前の肩が打点まで回転運動し始めるために前側の腕が前へと動くとき、打つ側の腕がインパクトの領域にある時点では、打たない側の腕とひじは重要な役割を担う。この腕は打つ側と反対側の肩を打点において一直線にし、フォロースルーで打つ側の肩をより前に回さなければならない。ではどのようにすればよいのだろうか。
水泳の動きのようにひじと打たない側の腕を腹部まで引き、インパクトポイントで腹部の下を押す。この方法であれば両方の肩は前傾し(これはフォロースルーを効率よくするのに必要)、打つ側の腕のプロネーションを増やすことができる。下腹部を押すひじ(左ひじなら左下腹部)は、打たない側の肩や腰をサポートしたり安定させ打点において様々な方向に回転するのを妨ぐことができる。これは効率よく回転運動するのに必要である。
前脚
前脚はできる限り効率よく行えるように回転運動を安定させる。しっかりした前脚は前側の腰を安定させるため、後ろの腰が前に回ってくる。
前脚の膝はサービスのこの段階で曲がる。この方法だと、前脚は安定性を築くだけでなく体を前に押すことができ、フォロースルーにおいて前脚がコートの内側に着地することができる。
前脚の足首
足首は底屈の役割をし、前脚をより安定させる。この屈曲によりフォロースルーの最後にコートの内側により入ることができる。