フォロースルーと着地段階
インパクト段階の後,フォロースルーと着地の段階では,ボールの方向付けと,
慢性的な怪我から筋肉や腱,人体を守るために,一連の動作の減速を行う.
インパクト後,利き腕とラケットはさらにボールの方向へ運動を続ける.肩の内旋と前腕のプロネーション(インパクト前から行われている)によって,腕は飛んでいくボールの方向を指してまっすぐに伸び続ける.
私はこれをサムダウン(親指を立てて下に向ける動作)段階と呼んでいる.体の前で腕をまっすぐに伸ばして親指を立てて下に向ける動作をイメージしてほしい.サムダウン段階においては,ボールを打って減速しながらフォロースルーし終えるまでの動作を効果的に行いつつ,肩から手首までの腕部分を怪我(肩の怪我から手首の過度の屈曲まで)から守らなくてはいけない.
インパクト後に,腕をしっかり体から話して前・下方向へ出していく(ネットを越えてサービスボックスの中へ落ちるように)動作を確実に行うことはフォロースルーにおいて最も重要な技術要素である.
フォロースルーにおいては2つの体の部分が重要になる.
1. 非利き手
2. お尻からつま先へかけての後ろ足
非利き手は加速段階を通じて前・下方向へ出ていく(この重要性は加速段階のページで述べてある).
非利き手の肘をお尻に向かって下に引くことで非利き手側のお尻がブロックされる.これによって非利き手側の体を完璧に固定し,利き手側の体を効率的に回していくことが可能になる.
打った後に利き腕がすぐ下へ落ちずに,より前へ大きくフォロースルーをするために,肘を腹骨盤の下側に引きこむことが,前もって必要となる.
2.肘はお尻から肩にかけての非利き手側の胴をブロックするが,つま先から膝にかけての前足はバランスの維持と下半身の安定のために重要である.
この瞬間,両足は離れ,フォロースルーで利き手を前に出していくために,後ろ足は後ろへけり出していく.同時に前足は体を安定させるためにつま先から膝にかけて曲がっていく.足裏の曲げに伴ってつま先を下へ蹴り出し,前へ膝を曲げることはサーブのローテーション段階における安定性においてキーポイントとなり,プレイヤーにコートの中に力強く着地し,ボールをより強く押しだすことが可能になる.
一般のプレイヤーはテニスにおける着地の重要性を認識していないように思える.着地は後ろ足への荷重から始まる体重のバランスをとる動きの締めくくりである.プレイヤーがサーブを後ろ足荷重から始めるのと同じように,前足で力強く着地することが重要である.
<力強い着地による利点>
・サーブのコントロールが非常によくなる
・フォロースルーの最終段階におけるバランスと安定性がよくなる
・着地後に胴が前へ曲がることを可能にする
・肩のローテーションをより前で終えることで,肩のローテーションをフルに使って打てる
これらは細かいことだが,テニスにおいてコントロールのないパワーはミスのもとでしかないように,サーブをフルスピードで打つ時には,完璧なコントロールについて必ず考える必要がある.